南海トラフ巨大地震 [地球物理学]

12月27日、内閣の有識者会議で南海トラフ巨大地震の想定中間報告がありました。
geGE日本.png

図を載せた方が説明しやすいので、GEから借りました。
黄色の丸印はUSGSの地震の規模と、赤い色ほど最近の地震を表しています。

震源地と規模は、日本の気象庁が発表するのと微妙に違うので、大体で考えています。
3.11のあの日も確認しながら、ブログを書いていました。
あの頃と今の違いは、カムチャッカやアリューシャン列島での地震が減った事でしょうか。

話を戻しましょう、この図を見て、本当にM9級の3連動巨大地震が来ると、お思いでしょうか。
可能性は0とは言いませんが(当然未来が予測不能の未知数が有る以上0にはならない)、ここでM9を持って来て論ずるのは、非現実的だと思います。

前にも書いたのですが、三陸や福島浜通辺りのトラフに比べれば、こちらの地層の方が歴史が古く頑丈です。
とはいえプレートが違うとは言え、構造的に互いに釣り合っていた訳で、片一方の力関係が崩れれば、影響を受けないわけがありません。しかしこの場合、過去の地震年表を照らし合わせると、傾向として日向灘地震が先にくる傾向が有ります。またその他の地域にも地震が結構来ています。

ただし、戦前の資料が、どの位信用できるモノかは、疑問符がつきます。
昔は計測器も無かったし、どうやって震源地とマグニチュードを割り出したのでしょうか。
今回もM9.0に訂正しましたが、まあその近辺と言う事でしょうか。

また報道による津波のメカニズムの説明が未だに分かりません。
1000年に一回の地震に、こじつけたいのでしょうが、記録が曖昧の中にも、この間に、結構似たような地震津波の資料が残っています。とすると、発表しているアウターライズ現象と辻褄が全く合いません。
一瞬でプレートを6m隆起させ、これが第一波の波なのだそうです。続いてアウターライズで、大きな第二波が起きたとしています。もしそれが本当なら津波は、ハワイやアメリカに向かうのではないでしょうか。
チリ地震の津波が日本に来るくらいですから、あり得る話です。

何を言いたいかと言うと、今回の発表も、最悪の事態を想定した、ミスマッチな発表としか言いようが有りません。この図を見る限り、沈み込んでるプレートは無さそうだし、海溝自体も日本海溝に比べれば、深く有りません。だからM9を想定するのには無理が有るのです。ただし、今迄のような地震津波は想定できるに止めるべきです。

百歩譲って、仮にM9の地震が来たらどうなるかと考えると、はっきり言って日本は終わりです。
この部分は、陸に近く、震源も浅くなりますから、地震だけでかなりの被害が出ます。ビルの倒壊、火災だけでもパニックです。そこに津波が襲ってきたら、どうやって救助活動できるでしょうか。交通網は麻痺するでしょうし、原発もやられるでしょうし、何百万という死者、被災者が出て来ます。
つまり、議論しても始まらないのです。救助は諸外国に頼るしか有りません。

とは言え、地震を予測するのは、相当な知識が要求されます。コンピュータ何かでは、絶対はじき出せません。
数値的計算速度は速いかも分かりませんが、諸条件を与えるのはあくまで人間だからです。
まず人間に求められるのは、宇宙の成り立ち、地球の成り立ちを鋭く理解していなければなりません。
科学的知識も、理解していなければなりません。これが出来ない人には、いくら肩書きが有ろうが、その立場に居ようが、無理な話です。いたずらに、人々を不安に陥れるだけです。
受け止め方は人それぞれですが、私には恫喝としか受け止められません。
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